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矛盾について(その11) ブログトップ

8月7日(土) [矛盾について(その11)]

 では意思表明の矛盾に対してどのように対処すればいいのでしょうか。矛盾した約束や矛盾した遺言に対しては、当然その撤回を求めるべきです。それは矛盾した命題に対して、その破棄を命じるのと同じです。ただ命題は現実のコピーにすぎませんから、それを破り捨ててもオリジナルの現実そのものは痛くもかゆくもありませんが、約束や遺言はそれ自体がオリジナルですから、一旦現実化してしまったら「覆水盆にかえらず」で、矛盾しているどちらか一方を取り消しますと、それは成立している現実をなかったことにすることになります。当然大問題になります。
 矛盾した命題があってはならないように、矛盾した意思表明もするべきではありません。それははっきりしていますが、実際のところ、ぼくらはしばしば矛盾した言動をとってしまいます。それは自分の中で気持ちに迷いがあるようなときで、「ああもしたいが、こうもしたい」という思いがそのままことばになりますと、矛盾した言い方になってしまいます。何か提案されたとき、賛成とも反対とも決められず、それでも意思表示をしなければなりませんから、「賛成ですが、反対です」などと言ってしまう。かくして「どっちなんだ、はっきりしろ」と非難されることになります。
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