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矛盾について(その25) ブログトップ

8月21日(土) [矛盾について(その25)]

 「イルカ漁は大地町で行われている」が「事実の記述」で、「イルカ漁は禁止すべきだ」が「意思の表明」です。さて「イルカ漁は残酷だ」はどうか。
 どちらでもなさそうです。
 まず「イルカ漁は残酷だ」は、事実を見て、それを記述しているのではありません。先回述べましたように、事実を「見る」ときは、ぼくらが見るのに先だって事実がありますが、「イルカ漁は残酷だ」にはその事実に当たるものがないからです。ですから、それが真であるとも偽であるとも言えません。真偽の基準となる事実がないからです。
 しかし何らかの意思を表明しているのでもありません。これも先回述べましたように、意思を表明するということは、何もないところに新しく意思を生みだすことです。「イルカ漁は禁止すべきだ」というのは、イルカ漁を禁止しなければならないという意思を新たに創造しているのです。でも、「イルカ漁は残酷だ」は、自分がある意思を創りだしているのではなく、逆に自分はある感慨に包まれています。自分が何かを生み出す主体ではなく、何かが自分を包み込んでいるのです。

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