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矛盾について(その181) ブログトップ

1月26日(水) [矛盾について(その181)]

 森岡正博氏のネット掲示板への投稿のつづきです。
 …さて問題は「脳死の人との対話」です。脳死状態となった肉親との間で濃密な対話が行なわれることをどう理解したらいいかということでした。対話ですから、一方的に“こちらから”でも、一方的に“あちらから”でもないのは言うまでもありませんが、問題はそこにあるのではありません。
 もう脳の機能が停止してしまっているのに、どうして対話が成り立つのかと問うとき、ぼくらは“こちらから”脳死の人を捉えようとしているのではないかということです。「脳死の人とは何ものか?」とその本質を見極めようとする、ぼくはそこに問題を感じるのです。「脳死の人から不思議な声がするのだが、一体この声は何だろう」と“こちらから”その正体を捉えようとしても、どうにも捉えられないのではないでしょうか。
 「アキレスと亀」の話のように、どこまで接近しても決してその正体に追いつけないと思うのです。あるいは自分の影を踏もうとするのと同じで、近づいた分だけ逃げていく。ベクトルが逆ではないでしょうか。“こちらから”不思議な声を捉えるのではなく、逆に“あちらから”やってくる不思議な声に捉えられるのではないか。…
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