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矛盾について(その489) ブログトップ

12月5日(月) [矛盾について(その489)]

 「そのまま生きていていいのか」の声は、どこからやってくるのだろうと探しても、その発信源を突き止めることができません。この声が聞こえてきたとき、ぼくらはすでにそのことを感じています。その意味で、妙なる笛の音とは全く違うと感じているのです。しかし、だからと言って、この声はぼくらの頭の中だけにあるとは到底思えません。紛れもなく「向こうから」やってくる。おいしそうな匂いがするとき、その匂いのもとはぼくらの中にあるとは思いません。いい匂いを出しているおいしい食べ物がどこかにあるに違いないと思います。同じように、この声はどこかからやってくると思う。
 「向こうから」やってくるのだけれども、その「向こう」は「日本の向こうに中国があり、中国の向こうに印度があるというのと同じ」ではありません。とすれば、それは「より高い次元」からやってくると言わざるをえません。さあ、ここが問題です。数学で、一次元(直線)より高いのは二次元(平面)で、二次元より高いのは三次元(立体)です。ここまではよく理解できます。直線も平面も立体も目で捉えることができるからです。ところが、これよりさらに高い次元となりますと、もう凡庸な頭ではついていくことができません。まして、この世界より高い次元の世界から「そのまま生きていていいのか」という声がやってくるなどと言いますと、「そんないかがわしい話につきあっておれない」という反応が返ってくることでしょう。
 いや、それはいかがわしい話でもいいかげんな話でもない、ということを言うためにカントを引き合いに出したいと思います。

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