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矛盾について(その521) ブログトップ

1月6日(金) [矛盾について(その521)]

 ぼくの念頭にあるのはマルクスです。時代の悩みがあるなら、それをもたらしている根源を突き止め、そこにメスを入れなければほんとうの解決にならないのに、世の宗教というものは、悩みを慰撫するだけではないか。そして厄介なことに、悩みを慰撫することは、それがどこからもたらされているかということに蓋をしてしまい、人々の目を一番大事なことから逸らす働きをするのだ。―これが「宗教はアヘンだ」ということばの言わんとするところです。
 時代の悩みを病気に、そしてアヘンを鎮痛剤に置き換えてみましょう。病気からくる痛みに苦しむ人にとって鎮痛剤ほど有り難いものはありません、それを飲むことで普段通りの生活に戻れるのですから。しかしそれが問題の解決にならないことは言うまでもありません。痛みをもたらす根源を取り除かなければ、病気はどんどん進行し、そして痛みもますます増して、そのうち鎮痛剤も効かなくなるかもしれません。その意味ではマルクスの言うことは全く正しい。
 痛みをもたらす病原とは例えば癌ですが、これをメスで取り出すか、放射線でやっつけるかしなければなりません。さてでは時代の悩みをもたらす根源とは何か。マルクスならば、社会の根本的な仕組み―資本主義的経済体制とそれを守護しようとする政治体制―と言うところでしょう。戦争という災厄もそこから生まれてくると。この処方箋についての議論はできません、ここで考えたいのはもう一つ先のことです。

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