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矛盾について(その545) ブログトップ

1月30日(月) [矛盾について(その545)]

 本の中に、彼が母親から厳しい躾(虐待と厳しい躾は紙一重です)を受けたことが出てきます。食事の話が印象的です。彼は食べるのが遅かったようで、ゆっくり食べていますと、その途中で母親が残りをチラシの上にぶちまけ、それを食べさせたと言います。それに対してことばで言い返すことはなかった。そうすることは罰を重くするだけだからです。
 このような事例がたくさん上げられていますが、彼はそんな環境の中で、ことばでなく行動で反応するパターンを身につけていったようです。「ことばでなく行動で」、これは要するにキレるということです。その後の彼の人生は、この「行動で示すというパターン」で彩られていくことになります。
 彼が警備会社にいたときのことです。内勤の彼が人手が足りなくなったということで、工事現場のダンプの誘導の仕事についていたのですが、一般道路に出ようとするダンプにストップの指示を出したにもかかわらず、ダンプはそれを無視して行ってしまった。このとき彼の例のパターンが出ます。その直後プイと現場を離れてしまったのです。そして結局退社することになります。
 こんな場合、自分の指示があからさまに無視されることに憤りを感じるのは誰でも同じでしょう。でも、それをすぐ行動で示すことはありません。指示の出し方がまずかったか、自分の判断が間違っていたのかなどと思い廻らし、これはそのままにしておいてはいけないと思ったら、然るべきルートで上にあげるのが普通の対応でしょう。でも彼はそれができない。

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