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矛盾について(その632) ブログトップ

4月26日(木) [矛盾について(その632)]

 サイエンスの世界では、これまでの追試験で学説に反する観測結果は出ていないから、いまのところ正しいと言えるにとどまります。それを覆す結果が出れば、明日にでもひっくり返される運命にあるわけで、厳密な意味での普遍妥当性にはどこまでいっても到達することはできません。それは、「こちらから近づこう」とする限り、個別的にならざるをえないからです。
 個別はどれほどその数が増えようと、普遍に到ることはありません。
 しかし、「向こうから思いがけずやってくる」場合は、やってくるのはある人であっても、その人にだけやってきているのではないでしょう、みんなにやってきているに違いありません。もし誰か特定の人にだけやってくるのだとしますと、それは「思いがけず」やってきたのではありません。何らかの事情があって、ある人が選ばれているのです。その人に選ばれる要素があるということです。
 こんな場合を想像してみましょう。
 ある日、誰かから手紙が届いた。差出人を見ても、見ず知らずの人です。「あれ何だろう」とあけて見ますと、「あなたの応募作品が入選しました」とあります。「ああ、あれのことか」とすぐ分かります。これは確かに向こうから思いがけずやってきたのでしょうが、でも「入選するかもしれない、入選してほしい」と思っていたに違いありませんから、「思いがけず」やってきたのではなく、呼び寄せたと言わなければなりません。

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