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「あんたなんか生きていなきゃいいんだ」 [生きる意味(その8)]

(5)「あんたなんか生きていなきゃいいんだ」
 もうかれこれ十数年も前のことになりましたが、以前担任をしていた女子生徒から長い手紙をもらったことがあります。そこには、彼女がクラスで「いじめ」を受けていたこと、その「いじめ」が彼女にとってどれほど酷いものであったか、そしてその傷が結婚した今ようやく癒えてとても嬉しいということが便箋7,8枚にわたって綿々と綴られてありました。
 ぼくは迂闊にも彼女がそれほどひどく苦しんでいたことを知りませんでした。ノーテンキな担任でした。ですから、「どうして先生はあの時私を助けてくれなかったのか」という手紙でしたら、ぼくはかなり辛い思いをしなければならなかったのですが、幸い彼女はぼくを責めるのではなく、ようやくトラウマから解放されたという喜びの報告をしてくれたのでした。
 その文面に、「いじめ」というのは「あんたなんか生きてなきゃいいんだ」と言われることだ、とありました。「それを恥ずかしいことだと思っていたので、親には言えなかった」という彼女のことばはぼくの胸に刺さりました。
 「あんたなんか生きてなきゃよかった」という眼差し、これはすべての「する」ことから意味を奪い、色あせさせてしまいます。どんなにおいしい食べ物も味気なくなり、どんなに美しい絵もそこにあることすら気づかなくなります。
 すべての「する」ことは、「あんたがいてくれてよかった」に支えられているからです。この「あんたがいてくれてよかった」という眼差しがあってはじめて、すべての「する」ことに意味が生まれてくるからです。

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