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あるから届くのではなく、届くからある [生きる意味(その98)]

(2)あるから届くのではなく、届くからある
 それは、話しことばに限らず、書きことばでも同じことです。例えば「“生きる意味”は届くものだ」ということばは紙の上に書かれています。だからそこに「ある」と言ってもよさそうですが、そこに「ある」のはインクの染みに過ぎません。それは誰かの心に響き、心に届いてはじめてあると言えるのです。
 あるから届くのではありません、届くからあるのです。
 ことばが誰かの心に届くためには、そのことばに心がなければなりません。心だけが心に届くことができるからです。でも、ことばに心があるというのはどういうことでしょう。言霊といいます。文字通り「ことばに宿る霊」のことで、古来日本人はことばに霊力があると信じてきました。ことばに霊力があるなどというと、ことばで呪い殺すといったイメージが浮かんできて、何か不吉な感じがします。そんなの迷信だよ、と一笑に付されてしまいかねません。
 しかし、ことばに不思議な力があるのは神秘的なことでも何でもなく、ごく当たり前のことです。今はもうラブレターなんて誰も書かないのでしょうか、もっと手っ取り早くメールかもしれませんが、そこにひと言「スキだよ」とあるだけで、それがどれほど偉大な力を発揮するかは言うまでもありません。この4文字が人を有頂天にさせるのです。
 これを霊力などというと「えー」となりますが、ことばに目には見えない不可思議な力があることは疑いないでしょう。そして、その不思議な力の正体は心です。ことばに心があるからこそ、相手の心に届くのです。いや、ことばは心そのものと言った方がいいのかもしれません。

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