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『末燈鈔』を読む(その271) ブログトップ

第4通 [『末燈鈔』を読む(その271)]

(9)第4通
 
 『血脈文集』の第4通です。

 武蔵よりとて、しむの入道どのとまうす人と、正念房とまうす人の、王番にのぼらせたまひてさふらふとておはしましてさふらふ。みまいらせてさふらふ。御念仏の御こゝろざしおはしますとさふらへば、ことにうれしうめでたふおぼえさふらふ。御すゝめとさふらふ。かへすがへすうれしうあはれにさふらふ。なをなを、よくよくすゝめまいらせて、信心かはらぬ様に人々にまうさせたまふべし。如来の御ちかひのうへに、釈尊の御ことなり。また十方恒沙の諸仏の御証誠なり。信心かはらじとおもひさふらへども、様々にかはりあはせたまひてさふらふこと、ことになげきおもひさふらふ。よくよくすゝめまいらせたまふべくさふらふ。あなかしこあなかしこ。
     九月七日                           親鸞
 性信御房
 念仏のあひだのことゆへに、御沙汰どもの様々にきこえさふらふに、こゝろやすくならせたまひてさふらふと、この人々の御ものがたりにさふらへば、ことにめでたふ、うれしうさふらふ。なにごともなにごともまうしつくしがたくさふらふ。いのちさふらはゞ、またまたまうしさふらふべくさふらふ。

 (現代語訳)武蔵の国から、しむの入道という方と正念房という方が、大番役(幕府の御家人が交代で京を警護する役)で京に来られ、訪ねてこれらましたのでお会いしました。念仏の志がおありということで、何より嬉しくめでたく思いました。あなたのお勧めと聞きまして、返す返す嬉しく心に沁みました。より一層念仏を勧められ、皆さんに信心が変わらないようにおっしゃってください。弥陀の御誓いがある上に、釈尊が勧められ、さらに十方の無数の諸仏が勧めてくださっているのです。信心が変わるようなことはないはずですが、実際には多くの人が変わってしまわれたのは、何とも嘆かわしいことです。よくよくお勧めになってください。謹言。
 念仏を巡るゴタゴタで訴訟などが起こり苦労されたと思いますが、この人たちの話では一安心されたということで、とりわけめでたく嬉しく思います。何事も言い尽くせません。いのちがありましたら、また申しましょう。


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