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天親という人 [『正信偈』を読む(その84)]

            第12章 天親―一心を彰す

(1)天親という人
                 12
 天親菩薩造論説(てんじんぼさつぞうろんせつ) 天親菩薩、論を造りて説かく、
 帰命無碍光如来(きみょうむげこうにょらい) 「無碍光如来に帰命したてまつる。
 依修多羅顕真実(えしゅたらけんしんじつ) 修多羅に依りて、真実を顕わして、
 光闡横超大誓願(こうせんおうちょうだいせいがん) 横超の大誓願を光闡す」
 広由本願力回向(こうゆほんがんりきえこう) 広く本願力の回向に由りて、
 為度群生彰一心(いどぐんじょうしょういっしん) 群生を度せんがために、一心を彰(あらわ)す。
 
 (現代語訳)天親菩薩は『浄土論』をあらわしこう説いています、「無碍光如来に帰命いたします。無量寿経に依って真実を顕し、弥陀の本願がよこさまに生死の海を超えさせてくれることを明らかにしたいと思います」と。つまり天親菩薩は、弥陀が衆生を救わんために、本願の力によって信心を回向してくださったということを「一心」ということばで明らかにしているのです。

 七高僧の二人目、天親です。龍樹は空の理論家として「中観派」という一大潮流を作った人ですが、天親は「唯識派」という大乗仏教のもうひとつの大きな流れを生み出した人です。4世紀に北インドに現われた人でヴァスバンドゥという名です。中国では旧訳で天親、新訳では世親の名で知られています(唐の玄奘までの訳を旧訳、それ以後の訳を新訳と言います)。兄にアサンガ(無着)という人がいて、この兄の導きでそれまでの小乗仏教から大乗仏教に移ったという話は有名です。

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